動物実験の現状改善にご協力をお願いします。
内部告発キャンペーンのお知らせ
はじめまして、こちらは「STOP ANIMAL TEST! CAMPAIGN 」実行委員会です。私たちは、実験動物の権利を求めて活動している有志の集まりで、学生、主婦、会社員で構成されています。このキャンペーンの案内は、大学で動物実験に関わっている若手研究者、またはそのような方をご友人にもつ方に送付しております。
日本で、犠牲になる実験動物の数は、年間1000万匹を上回ります。巨大都市の人口に相当する命が一年で消えていく事実に疑問をもつ人は少なくありません。なぜこのような膨大な数になっているのでしょうか?
研究者の方も、必要のない犠牲を減らす努力をし、または、実験を行う場合には、実験動物の福祉に配慮した実験を行っていると信じております。しかしながら、(社)日本実験動物学会のホームページに掲載されているように、「科学的に適切でない、あるいは動物福祉の配慮に欠ける動物実験が一部で実施されていることも、残念ながら事実」であります。
ご存知のとおり海外では、外部査察官により福祉遵守状況が審査され、ひどい場合はその大学への補助金がカットされるのが通常です。しかし、日本では昭和62年に出された文部省の通知に従い、各大学の倫理委員会にすべての管理が委ねられています。そのため、優秀な倫理委員会をもつ大学がある一方、形だけのところも存在します。
ところで、実験動物の福祉とは以下のことを意味しています。
- 計画段階で動物を使わない研究方法、又は数の削減を徹底的して検討すること。
- 飼育中、実験中、実験後の可能な限りの苦しみの排除、エンリッチメント。
- 痛みの分類が、D,Eランクの実験は、原則として回避すること。
単に、麻酔と安楽死のみを意味しているわけではありません。快適なマウスのケージ、実験犬の散歩、猿へのおもちゃ(ぶら下がるタイヤなど)の付与など、飼育動物のクオリティーオブライフを高めることも重要なことです。
さらには、そもそもなぜ実験を行うかの問いかけが重要です。
学位論文のため、注目を受けやすい分野(脳研究、再生医学など)を選び、論文の体裁を整えるため、本来生理学的に違うはずの動物モデルで検証を行う風習は、直接に国民の健康につながらないアウトプットになりかねません。
さて、昨今法律の整備も検討され、「内部告発」という言葉が、以前のうしろめたいニュアンスから美徳へと認識変化してきております。日本でも動物実験が内部告発された例が多々あります。
例えば、S大学では、ウサギの内臓の解剖実習は麻酔しないことが通例でした。学生の内部告発を受けた愛護団体が、大学側にお願いをしたところ次年度より麻酔をすることに変わりました。
M病院では、脊椎切断の実験後、放置されて傷口が化膿した犬が報告されましたが、救出され治療を受けました。
T大学ではカリキュラムとなっている牛の生体解剖実習の問題点を元学生が指摘し、この解剖実習は中止となっています。
また、実験実施の是非を問う告発もありました。K大学では、教授の命令に従い、医局員自身が不可能と思う方法で、猿への骨髄移植を続けているそうです。すでに50匹以上が犠牲になっていますが、告発した方は、明らかに不可能な方法で実験を続けることは虐待に相当しないかという疑問に苦しんでいます。この例は、愛護団体からの対処が難しい種類の告発ですが、米国では例があります。
C大学では、他大学の技術者からも批判される方法で猿の移植実験を続けていましたが、保護団体からの批判だけでなく、技術的観点から実験中断となりました。
日本では、研究者同士が、他大学の実験手法を批判しあうことは少ないでしょう。決して得にはならないためです。しかしこの部分も本当の医学発展のためには改善しなくてはならない部分であると思います。
愛護団体は、よく過激であると思われがちですが、全く違います。今回のキャンペーンは以下のように運営されます。
- メールまたは手紙にて問題点を指摘いただく。(匿名で構いませんが、できれば連絡を取れる手段をお示しください)
- 実行委員会で、他の大学や海外の同様な例を調査検討する。
- 同大学の倫理委員会に有効なアイデアも含め、改善をお願いする。
このようなプロセスを経て活動を継続させていくことで、いずれ各倫理委員会のレベルが統一され また、有用なアイデアを共有することになると思います。
このキャンペーンは、我々、実験動物の権利を考える市民だけでなく、研究サイドの方の理解も得て進めていきたく存じております。ご協力よろしく御願いします。
医は仁術といいます。よい研究の裏には、かならず、やさしい精神がやどっていてほしいと願っております。将来、みなさんは、優秀な医師、薬剤師、研究者になっていかれると思いますが、同時に心を豊かにしてくれる人に成長していってほしいという願いを私たちは持っています。日本では昨今良識ある人々の内部告発によって、企業や行政がその誤りを正しまし
た。動物実験については、このような動きは今までありませんでした。動物実験の現状改善のため、「このようなことが行われている」という具体的な事例を募集します。
社会全体への問題提起・警告につながる事例については、積極的に取材させていただきます。内部告発文は
郵送もしくはメールでお願いします。メールは
までお願い致します。
匿名での情報提供も歓迎ではありますが、積極的な取材をする場合には、 ご連絡先
(メールアドレス・携帯電話など)の明記もお忘れないようお願い致します。取材源の秘匿には充分に配慮いたします。
(内部告発あて先)
郵送先:〒162-0823 東京都新宿区神楽河岸1−1
東京ボランティア・市民活動センター気付 メールボックスNo.65
STOP ANIMAL TEST! CAMPAIGN 実行委員会
(幹部・倫理委員会のメンバーの方へ)
このメールはスパムメールではございません。よって、当会より再度、皆様にメールを差し上げることはありません。また、本来、このような活動は、専門知識を有した公的機関が自発的に行うのが筋であると思っております。そこで、将来的に、私たちの役割を動物実験施設協議会、日本実験動物学会などに移管できるように交渉を進めております。医の倫理が叫ばれる今、若手研究員からの自由な意見の吸い上げを行う組織は是非とも必要であると思っております。
P.S
今回、公開されている各大学のHPの詳細を見させていただきました。疑問に思ったことは、
研究テーマの配分です。予防医学、衛生医学における研究がとても少ないです。論文
に適する研究課題が少ないのかもしれませんが、厚生省の方針は、今後の医療費破綻を予測して、まず、病気にかからないことを目指しているはずです。再生医学や遺伝
子組替の研究課題は尽きず、今後、この分野で犠牲になる動物の数は激増するでしょ
う。この分野の研究が本当に私たち市民の幸せにつながっていくのかを十分に議論し
ていただき、世界最長寿国となっている日本における医学研究のあり方を見出してほ
しいと思います。
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