化粧品業界
  補助金停止願
  内部告発

 

 

2002年11月、関西医科大学への補助金停止を求め、
以下の要望書を提出しました。

(1) サルの劣悪飼育
(2)サルへの虐待行為
(3)マウスの脱走事件

以上を理由に、関西医科大学の補助金停止を求め、以下の要望書を提出しました。

回答は得られませんでしたが、毎年多額の研究費を各大学に振り分けるこれらの機関へ、今後とも動物実験への補助金を削減するよう声を伝えていくことが必要だと考えます。

提出先
日本私立学校振興・共済事業団
私学振興事業本部

〒102-8145  千代田区富士見1-10-12
日本学術振興会  研究事業部
〒102-8471  東京都千代田区一番町6番地
文部科学省 研究振興局
〒100-8966 東京都千代田区霞が関1−3−2

 

関西医科大学への補助金停止を求める要望書


 私たち「STOP ANIMAL TEST CAMPAIGN」は、実験動物の処遇に心を痛め、活動をする個人の集まりです。一般主婦、会社員、学生等と幅広く、特定の動物愛護団体と関係あるものではありません。

  私たちは、実験動物の福祉に係わる以下の問題点を理由に、関西医科大学(大阪府守口市文園町10-15 学長 日置紘士郎)への補助金の停止を求め、要望書を提出いたします。

(補助金停止を要望する理由)

1. 関西医科大学においては、その実験動物飼育施設である「動物センター」内において実験動物の適切な飼育を行っていない。その状態は、「動物の愛護及び管理に関する法律」、「実験動物の飼養及び保管等に関する基準」(総理府告示第6号)、さらには昭和62年、各国公私立大学長宛に通知された文部省の「大学等における実験動物について(通知)」(文学情第141号)が定めるところから著しくかい離した状態であり、なおかつ改善の意思を示さない同大学に対しては、公的資金の授与は不当と判断される。


具体的には、
(1) サルの劣悪飼育

  下記の背景で詳細を述べるとおり、猿は立つことも困難な狭い檻に入れられ精神異常をきたしている。文部省通知の「3、実験動物の飼養管理」にある「科学的にかつ動物福祉の観点からみて適切な動物実験を実施するためには施設、設備等の適切な維持管理に配慮し」という文言に対する同大学の飼養状態のかい離は大きく、動物福祉が実現していないことは明らかである。また、こういった施設で得られたデータが科学的意義を持ちうるのか、疑わしい側面もある。

(2)サルへの虐待行為

  さらに、研究員による猿の虐待行為が映像によって公開されており、「動物の愛護及び管理に関する法律」に違反する行為であるばかりか、人の命を預かる医者としてのモラルに欠ける大問題である。

(3)マウスの脱走事件

  私たちが独自に入手した情報によると、同大学は所有するマウスの逃走事件を起こしており、その飼育動物の管理体制は杜撰と言わざるを得ない。「実験動物の飼養及び保管等に関する基準」には「管理者等は、実験動物が保管場所から脱出しないような必要な措置を講ずること」と書かれており、また、感染症実験マウスや遺伝子改変マウスであった場合、周囲の住宅地への逃走はバイオハザード及び野生動物の遺伝的改変の可能性を含む大問題となる。住民に不安感情が起こることを思えば、同大学への補助金停止は妥当な措置である。

2. 日本には大学の実験動物を管理する法律は存在せず、外部からの意見を取り入れようとしない傾向にある。一方で、実験動物の適正な飼養を進める義務を文部省はもつはずであり、これら法律、基準等を遵守しない施設があった場合、補助金停止という手段が現在罰則として拘束力をもつ唯一の方法であると考えられる。

(背景)
 海外の動物権利団体SHACが、日本の大学の動物実験施設に潜入し、その実態をホームページ上で公開、国内では朝日新聞が2002年7月3日付けの記事として取り上げました。潜入は、順天堂大学、大阪大学、京都府立大学、大阪府立大学、関西医科大学の5大学にて行われ、実験動物の飼育状態等が写真と長文で紹介されています。

 中でも関西医科大学に関しては、自身の毛を掻き毟り、檻の中を絶え間なく回りつづけるサルや、研究員によるサルの虐待の様子等、特に劣悪な状態が記述されています。これらは写真およびビデオからも信憑性の高い事実として確認されています。我々は5大学に対して、手紙のやり取り及び話し合いを通じて実験動物の待遇改善をお願いしてきました。

 動物が狭い檻に入れられていることが動物にどれだけの苦痛を強いるのかについて、日本人はほんど認識しておりませんが、海外では実験動物といえども飼育環境に対して配慮をするようになっています。

 特に知能が高い動物にとっては大変耐えがたいものでしょう。少し想像していただければわかりますが、もし人であれば、畳一畳ほどの広さの檻に入れられ、水と餌だけ与えられる生活がどのようなものか、それがどういうことであるか容易に想像がつくのではないでしょうか。

 そういった時流を踏まえ、前向きな態度で動物の福祉に関する改善を約束する大学がある一方、関西医科大学総務の対応は、教育の場にいる社会人としての良識を欠くものであり、改善の糸口さえもつかめない状況です。

 上述したマウスの脱走事件は、本年10月16日、同大学2号館南棟、キャンパスの南門にもっとも近い階段にて発生しましたが、同大学動物センター側には事件の本質を反省する態度はなく、事件が表ざたにならないことのみを願う態度が色濃く見受けられました。そのことにも体質の片鱗が見え隠れしています。

 関西医科大学は私立大学ではありますが、文部省を通して毎年20億円以上の多額の税金が補助金として配分されています。実験動物の福祉は今や世界の常識であり、この部分をおろそかにする研究機関への血税の投入を、納税者である市民は納得することはできません。補助金の公正な配分に責任をもつ貴部におかれましては、関西医科大学への今後の補助金停止、または減額を是非とも断行していただきます様、お願い申し上げます。


 以上、要望を提出する理由を記載しました。この理由に対して不適当であると思われる部分は忌憚なくご指摘ください。

 なお、根拠として示したSHACという団体は過激な団体であるとされていますが、私たちはSHACにより明らかにされた事柄について要望しているものであり、私たちがSHACを支援しているわけでも、SHACが私たちの活動を関知しているものでもありません。

 大学側は、違法侵入にて撮影された写真であること及び、たまたま関西医科大学が選ばれたという被害者意識を前面に出してくると思われますが、我々としては、この機会を大学側が実験動物の福祉向上のための機会として捉えてくれることを望んでおります。

 本要望書は、貴部署の正式な回答を必要としております。回答は、本要望書着日より1カ月以内に下記の郵送先あてにお願いいたします。正式な回答に長期を要する場合には、その理由と予定される回答月日もご連絡ください。

よろしくご検討のほどお願い申し上げます。

以上

※別紙として写真資料を添付した。

回答郵送先 : 〒162-0823 東京都新宿区神楽河岸1−1
         東京ボランティア・市民活動センター内 メールボックスNo.65
         STOP ANIMAL TEST CAMPAIGN 実行委員会

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