2008.1.24最終更新

 

 2005年に起きたとんでもない事件です。宮崎大学医学部の学生6名が、車ではねたウサギをアパートへ持ち帰り、包丁で解剖。その様子をブログにアップしました。ブログには「殺した、殺した」などの不気味なコメントがならび、さらにそのブログを宣伝するポスターまで作り、大学に掲示していました。あきらかに逸脱していると思います。

  良心ある他の学生などから、大学等への苦情・通報があり、事件が発覚しました。

 「うさぎ狩り部」というネーミングや、ブログに載っていたとされる文面には、やはり驚きと憤りを感じます。(ブログの記載内容は、ググるとキャッシュからのコピぺで読めると思います。報道記事では、ウサギは車で偶然はねたと読めますが、ブログのオリジナルの文章からではどうでしょうか?) 医学と動物の命を考えるとき、忘れられない事件です。

 これを多くの関係者が問題だと感じたことはうれしいですが、このような体質・ノリが出てくる素地が学生の中にあることを思うと、動物を使った実習などはやはり行うべきではないと感じました。

宮崎大学がサイトに公開した学生の処分の結果についてはこちら

関連資料:

【新聞報道】
はねたウサギ解剖公開 医学生6人ブログに 宮崎大処分へ 「うさぎ狩り部」名乗る
西日本新聞 2005年12月12日

記事の概略:
宮崎大医学部の学生6人が、車ではねたウサギを自宅で解剖、写真をブログで公開していたことが判明。


学生らは「うさぎ狩り部」と名乗る大学非公認のサークルをつくり、PRポスターを学内に掲示。


大学側は「医師を目指す者として極めて軽率な行為」として調査委員会を設置。6人は、11月10日から自宅謹慎。14日の教授会で正式な処分。

・6人は20代前半から後半で全2年生。

・9月15日、メンバーが宮崎県内で車の前に飛び出してきたウサギをはね、その死骸を持ち帰り、大学近くのメンバーのアパートで解剖。様子をインターネット上に掲載。

・ブログには多くの学生がアクセス。解剖されたウサギの写真と「殺した。殺した」など気味の悪い言葉が並んでいた。同学部の公式ホームページにもリンク。

・苦情が大学に多数寄せられ、発覚。

・学部側は10月末に事情聴取。ポスターの撤去とブログの閉鎖を命じた。学生らの弁解は「冗談が過ぎた」。


ブログを見た医療関係者のコメント:「彼らがこのまま医者になると、いつか大変なことをしでかすだろうと危機感を持った」

・3年時に実験ウサギの解剖があるが、指導教官が学内の動物実験承認委員会に届け出た上で行うのが通例。学生が勝手に動物の解剖をすることは想定していない。

・佐藤泰範・同学部総務課長コメント:「医学生としての倫理観に欠け、大学の名誉を著しく傷つけた行動で、調査委の報告を待って厳しい処分をする」

【新聞報道】

ウサギの解剖をネット公開 「冗談で」宮崎大6医学生
共同通信 2005年12月12日

記事の概略:宮崎大医学部の学生6人が、ウサギの死骸を自宅で解剖し、写真をインターネット上で公開していたことが判明。 (他、西日本新聞報道と同様)

【テレビ報道】

宮崎大学の医学部に通う学生、自宅でウサギを解剖しその様子をネットのブログに公開
フジテレビ 2005年12月13日

新聞報道とほぼ同様ですが、 追加情報は…

・学生は男子。

・学生らを知る人のコメント:「ちょっと変わってて、かかわらないようにしようと思っていた。(ブログを見て)気持ち悪くなって、なんでこんなことをするんだろうって」

・同学部佐藤泰範総務課長コメント:「魚取りしても、貝取りしても(学生らは)『殺した殺した』と。そういった表現をすることは、言葉の芸術だと、そういう感覚」

・「ウサギ狩り部」の掲示板にあった言葉:「たくさんの魚や貝、カニを殺してきました。あのときのみんなの生き生きした表情を見ると、人間の奥の部分が見えたような気がします」など。

・「3年前には福岡県で猫の虐待画像をネットに載せた当時27歳の男が逮捕され、有罪判決を受けた例もある」とフジテレビのコメント。

※他、テレビ宮崎と宮崎放送でも報道があったようです。

ウサギ解剖公開 宮大6学生を停学 「医の倫理を再教育」
西日本新聞 2005年12月15日

記事概略:
・14日の教授会で「医学生としての本分に反する」として、リーダー格の2人を停学約1年4カ月、残りの4人を停学約4カ月の処分とした。(自宅謹慎を命じた11月10日にさかのぼって処分)

・文部科学省学生支援課:医学生が倫理観の欠如を理由に処分されたのは「国公私大を通じて過去に聞いたことがない」。

・調査委員会の報告:学生の1人が9月15日夜、宮崎市青島の山中をドライブ中に車の前に飛び出してきたウサギをはね、死骸を持ち帰った。解剖は、同日、学生のアパートに集まった計5人で、料理用の包丁を使って行い、その様子をブログに掲載。その後、一人が加わって「うさぎ狩り部」と名乗り、PRポスターを張った。

・教授会では、退学処分を求める声もあった。

「教育機関としての責任を放棄してはならない」と、再教育の必要性を求める意見が多数を占めた。

同学部は、六人に対し「停学期間中も講義とは別に、倫理観を養うための指導を続けていく」。

宮崎大学サイトより:

平成17年12月14日

「うさぎ狩り部」に関する学生の処分について

 本学医学部の学生が、医学科学生としての倫理観を著しく欠く情報をインターネット上のブログに公開した件で、本日の教授会において学生6名に対する処分が下記のとおり決定しましたので、報告いたします。

                        記

 今回の行為は本学の教育理念・教育目標から著しく逸脱したものであり本学の信用を失墜させ、医学科学生としての本分に反するものであることから、

*リーダー格と認められた2名に対して
 停学(平成17年11月10日~平成19年3月31日)(2年留年)
*その他の4名に対して
 停学(平成17年11月10日~平成18年3月31日)(1年留年)

 なお、今回の処分については、医育機関としての責務として学生の再教育を主眼としたものであり、医学を志す者としての倫理観を有する人間形成を行うべく、厳しく指導していく所存であります。

 今回の件で、世間をお騒がせしたことに対し、お詫び申し上げるとともに、ご理解をいただきますよう、お願いいたします。

 
 
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