もう一つの重要な側面は、動物愛護へのマイナス影響である。規制要件が十分に調和されていないために、医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準(GLP)や動物用医薬品の承認審査資料の調和に関する国際協力会議(VICH)のような厳格な枠組みを完全に順守した上で行われている全く同一の試験結果が、すでに利用可能であるにもかかわらず、日本では、当該企業がいくつかの動物試験を繰り返し実施することが求められている。

動物用医薬品の分野において、動物福祉に関する認知度は十分であるとは言えない。日本はより多くの海外データや代替手法の受け入れによって実験動物の使用最小化も進めるべきである。