サイエンスアゴラの会場で、デジタルリマスター版アニメ『ニルスのふしぎな旅 劇場版』初上映会ってのを見てきました♪

懐かしいです。テレビ放送からもう30年近くの月日が経つなんて…自分の年齢に愕然!としますが、劇場版の映像は、今見てもまったく古びていませんでした。鳥たちが飛び立つときの、アニメならではのダイナミックなシーンは健在。オープニングとエンディングの音楽がテレビ版と違っているのが残念^^;なくらいかな。

昔って、こういういいアニメをいろいろやってましたよね。その中でも『山ねずみロッキーチャック』の次くらいに好きだったのが『ニルスのふしぎな旅』だったから、とってもうれしかったわーん(涙)

改めて見て驚きましたが、もう最初っから、主人公のニルスにお父さんが「動物をいじめちゃだめだ」って言っていましたね。ニルスはいたずらが過ぎて、妖精に体を小さくされちゃうんですが、そのとき、動物と話ができるようにもなるんですよね。そして家で飼っていたガチョウのモルテンの背中に乗って、ガンたちと旅をする…。

ラストは、旅をともにしたモルテンをお父さんが肉にしようとするのを、ニルスが「殺さないで~!!」と止めようとしたとき魔法が解ける…のだから、妖精がニルスに教えようとしたこと、というか、原作者が伝えたかったことの一つは、間違いなく動物についてのものだったと思います。

ガンの隊長アッカの願いは、生き物たちのための土地を残しておいてほしいということだったし。

う。こんなすばらしい物語(原作)が書かれたのが実に100年前とは。驚きです。

(ということは、100年前のスウェーデンですでに、アッカ隊長にあのセリフを言わせなければならないほど、自然は破壊されつつあったってこと? やばいぞ、人間)

上映会は、映画がすぐ始まるのかと思ったら、スウェーデン大使館の人や原作翻訳者のお話などが入ったので「あー早く観たいのにー」なんて思いましたが、でもスウェーデン通貨のクローネ札に原作者のセルマ・ラーゲルリョーブが使われているとか(しかも裏側は空を飛ぶモルテンの絵!)、この物語は子どもたちにスウェーデンの地理について教えるために書かれたものだったとか、知らなかったのでびっくりしました。

つまり、スウェーデン人なら誰でもこの物語を知っているということ? なんだかすごいな。

そういえば、『長くつ下のピッピ』のリンドグレーンも、スウェーデンの作家です。

すっかり「スウェーデンの女流作家=動物に優しい」という思い込みができあがりつつある私ですが、でも考えてみれば、児童文学って基本的に、動物に対しては共感的ですよね。

どうして人は、そこから変わっていってしまうんだろう。

関係ないですけど、原作翻訳者の方のお話で一番驚いたことは、原作者の身近に、本当にガンたちと一緒に旅立っていったガチョウがいたらしく、そこからこの物語の着想が得られていたという話です。それで、そのガチョウはなんとガンたちと一緒に帰ってきたのですが、でも…肉にされちゃったんだそうです。

……。

でも、帰りに映画を一緒にみたベジ友人とお台場で食事をしていたら、V字に編隊をつくって飛んでいる鳥の群れが、窓の外、しかも割と近くに見えました。うれしいな。みんな、がんばれ!

ニルスのふしぎな旅 劇場版
http://www.b-ch.com/cgi-bin/contents/ttl/det.cgi?ttl_c=2241(リンク切れ)