洋服って、毎日着ているものなのに、なるべくエコにしたいと思ってはいても、どこに問題があるのか、どういう選択肢があるのか、あまりよくわかりませんでした。この本を読んで、繊維素材について初めて知ったことがいろいろありました。

この本では、サステイナブルでエコという視点だけでなく、生き物の命を奪っていないかという倫理的な視点についても触れられているのでほっとします。

蚕が自然に繭からかえるのを待ってシルクにする「ピースシルク」のことも載っていました。(Veganだとピースシルクも使わないと思いますが、蚕をゆで殺していないので、「ベジタリアンシルク」とも呼ばれるそうです)

羊毛については、羊を有機リン酸エステルの入った液体に浸すことがあり、その残留物質が人体に浸透し神経を侵す可能性があることや、集約畜産が引き起こす諸問題などについても書かれていました。代替としては、オーガニックウールがありますが、やはり価格が高くついてしまうようです。羊毛がそもそもこんなに大量に必要なのかが見直されるべきだとあったのは、まったく同感!です。

皮革についても、なめしの過程で化学物質を多用することが書かれていました。

脱毛工程:石灰、硫化ナトリウム(廃水を硫化水素化すると、大気中に硫化水素発生)
石灰除去・脱毛・染色:大気中に揮発性有機化合物、アンモニア、硫化物
なめし工程:クロム(三価クロムが酸化して六価クロムになることも)
再なめし工程:ホルムアルデヒド系のなめし剤
染色工程:鉛系の染料

などが使われるそうです。クロムを使ったなめし革より、タンニンを用いたなめし革の方が、環境や人体に影響が少ないとありました。

それから、もう一つの動物系天然素材に毛皮がありますが……載っていませんね。良かった♪