先月、NATUREのサイトに、げっ歯類の安楽死についての記事が載りました。
二酸化炭素(CO2)を使う方法より、麻酔ガス(イソフルラン)を使う方法のほうが明らかに好ましいという、動かぬ証拠が出てきたそうです。おお~っ、キターーーっ!!
Rodent euthanasia methods under scrutiny
http://www.nature.com/news/rodent-euthanasia-methods-under-scrutiny-1.12083
ネズミさんたちが明るく照らされた部屋より暗い部屋を好むことを利用して、炭酸ガスや麻酔ガスを入れた暗い部屋から逃げるかどうかを見たのだそうです。
炭酸ガスのときは、ネズミさんたちは明るい部屋に逃げるのですが、イソフルランのときは逃げずに意識不明に陥るので、炭酸ガスへの暴露は不快感があることが立証されたというわけです。(う~ん、なるほど。動物実験ですけどね、完全に)
でも困ったこともわかりました。イソフルランに一度さらされたことのあるネズミたちをもう一度イソフルランの部屋に入れると、今度は明るい部屋に逃げるのだそうです。
どうやら、麻酔からさめるときに気分が悪くなったのをネズミたちは覚えていて、イソフルランに対しても「やばいぞ!」となるのではないか?
ということは……研究者は、動物をイソフルランに繰り返しさらす必要がある実験について再考する必要があるかもしれない、とNATUREは言っています。
再考といっても難しそうですけどね……。もう実験止めるしかないですよね。(結論早っ)
この悩ましい結果も、安楽死するときは関係ないので、安楽死ならイソフルランのほうがいいと断言できそうです。
元ネタの論文はこちらです。
Rat aversion to isoflurane versus carbon dioxide
http://rsbl.royalsocietypublishing.org/content/9/1/20121000.abstract