土曜日に、麻布大学獣医学会の一般市民向け講座に行ってきました。講座自体の感想など、ご報告はまた改めて別のところでするとして……
学会の講演要旨集を配布していたので、なになに?と思ってみていたら、面白い演題がいろいろありました。
まず、「産業動物参加型臨床実習のための牛・豚レプリカの開発」
なぬ? これは早速あれですね、獣医学教育で臨床実習を充実させる話が動いている中、実習に使う産業動物に負担を強いてしまうのではないかという懸念を私なども強く感じるところですが、それに対応するための事前教育用のレプリカですね。早速このようなものができているのは、うれしいところです。
直腸検査による卵巣の触診実習などが実施できる模型になっているそうなので、あれですね、「動物のお医者さん」の箱(?)が進化したってことですよね? (って、古すぎだーなー)
それで、検索してびっくりしたのですが、何と今週「アグリビジネス創出フェア」で、実物とご対面できるようなんです!
獣医系大学産業動物臨床実習に利用する牛豚レプリカを製作しました
(ほかが植物ばっかりなので行かないとは思うのですが、うーん、ちょっと会いたかったカモ)
それから興味深かった演題は、「国内飼育下および輸入両生類におけるかえるツボカビ汚染状況」
カエルツボカビは、「現在でも国際商取引を介して国内に持ち込まれていることが明らかになった」と明確に書いてあります。
また、これは画期的なのでは?と思ったのが、「日本における犬混合ワクチン接種後副反応に関する大規模な疫学調査」です。
2006年4月~2007年5月に行われた57,300接種について、359頭が混合ワクチン接種後、何らかの副反応を示したことがわかったそうで、そのうちのさらに41頭はアナフィラキシー症状を示したとのことです。アナフィラキシー症状は全て60分以内に発症、約半数は5分以内に発症とのことなので、獣医さんは目の当たりにしているということですよね…。人間のワクチンに比べると相当高い比率だと思いますし、こういう数字がはっきりでてきたのはすごいことだと思います。