Call to curb lab tests on dogs
http://www.nature.com/news/2011/110628/full/474551a.html
Nature 6月28日付
人類最良の友は、製薬産業の中で重荷に耐えながら生きている。そんな悲しい出だしのNatureの記事なのですが……内容はびっくりです。
犬を使った動物実験の4分の3は、製薬産業のためのものだそうですが、そういった毒性試験を減らすべく、スイスの慈善家であるヒルデガルド・ドレンカンプ(Hildegard Doerenkamp)という女性が、100万ユーロ以上の寄付をしたというのです! 
そしてそのためのアクションプランをどう構築するか、寄付をどう使うかを話し合うために、先週ブタペストで、アカデミアや産業界から毒性学者が集まり、動物福祉の人たちも交えて会議があったとのこと。
ス、スケールが違ーう。
40年間、標準として用いられてきた試験法を変えようというのですから、規制当局が慎重になるのは当然だとは思いますが、代替法へ向けて希望が持てそうなことも書いてあります。
「犬は、ホルモン類のような、ある種の化合物に対しては過敏すぎる可能性がある。また、犬の消化器系は人間のものとは違ったふるまいをする」といったコメントもあります。
そして、ここ↓がヒルデガルドさんが設立した財団のHPなのですが…
Doerenkamp-Zbinden Foundation
http://www.doerenkamp.ch/en/
なんと、彼女はすでに亡くなられているとのこと……。
しかも亡くなったのは、今年の2月です。90歳。延命のための集中治療はきっぱりと拒否し、尊厳をもって安らかな死を迎えたとあります。
ビーグルたちの写真を見ると、彼女の愛情が伝わってくるようで泣けてしまいますね。これはぜひ、試験法の改善へ向けて世界中が動き出してほしいです。