福島原発警戒区域の家畜の件、CFTさんの提案を転載させていただきます。
この件は、なぜ動物の命を救いたいと考える人たちが、「何とか研究センター」のようなところに動物を送り込むことに手を貸さなければならないのか、非常に疑問に思ったままです。
こちらもご覧下さい。
http://helpanimals.jugem.jp/?eid=232
そのようなものを国税でつくったときに、それが名目だけのものとなる可能性は低いと感じますし、もし仮に名目だけであるなら、それはそれで問題だと感じる世論もふつうに存在すると思います。
名目は研究費だが、実際は施設運営費に使われたとして問題になった事件などもありましたが、そういう事例との違いはなんなのでしょうか。
肉の流通のためである調査捕鯨に、研究の名目で税金をお金を出している国だから、そういう発想になってしまうのかもしれませんが…。(くしくも、捕鯨にも福島の件と同じ学術研究者が関わっていますが…)
しかし「研究センター」に嫌悪感を感じる一方で、結局「使い道」がなければ、動物たちは生きることは許されないのに、「サンクチュアリ」の名称が使われることにも抵抗があります。
それは本当の「サンクチュアリ」ではないからです。利用することではなく、生かすこと自体が目的の場所(それも福祉にかなった状態で)は、本来、民間でしかありえない活動なのだとも思います。
海外のサンクチュアリへお願いすることも、食用であるがゆえに、輸出入手続きが難しいことがわかりました。ここでもう、ガックリ来ちゃいました。
また、現地はまだ餓死が続いている状況とのこと。餓死するのに安楽死されていない状況を、もし「動物の命を救え」という世論が支えているなら、皮肉なことだと私は思い始めています。
工場畜産の牧場なのか、放牧なのか等、一律には考えられない状況もあり、なんとも言えなくなってしまいますが、少なくとも工場畜産は継続(20キロ圏内での再開)はさせないことが、将来の犠牲を減らすのは間違いないのではないか、とも思います。
消費が減らなければ、意味はないのかもしれませんが。
この状況は、畜産による肉を食べ、牛乳を飲む文化に起因していることだけは、広く自覚されるべきだと思います。
<転載・拡散歓迎> 20キロ圏内「サンクチュアリと未来のエネルギー構想」についての新たな提案
2011年6月18日 13:02 Choices for Tomorrow (CFT) / あしたへの選択さん作成

関係各位

20キロ圏内畜産動物を生かしておくには、「研究などの公益があれば」許可を考えるという国の指針により、現在提出されている「サンクチュアリ構想 要望書」には放射能を受けた家畜の研究及び動物実験が盛り込まれています。

しかしながら、地震も津波も飢餓という状況も乗り越えて生き残った数千頭の畜産動物たちを、あえてここで実験に供与するということは、生きる希望の象徴でもあるはずのこれら動物たちを、「幸福に生きる価値のない」生き物として扱う国、という印象を、国内にも世界にも与えることになると危惧します。

なんとか、動物たちを希望の象徴として、「命と未来」を考える場所として、20キロ圏内のサンクチュアリーを設置して頂きたく、以下の構想を公益目的として提案致します。

<提案>

南相馬市長は同市を再生可能エネルギーのメッカとしたいとお考えとのことです。サンクチュアリーはそのエコ都市に組み込まれた、動物の幸福を実現しながら機能する牧場として、放牧家畜の排泄物を電気に変え、地域都市に送電してゆくという場所にしてはいかがでしょうか。

エネルギ−と未来の農家:

もし、農家の方々が、家族のように大切に育てた家畜たちを食肉処理場に送らずに済むことができたら?

動物たちと共生して地域に貢献し、そこから利益を得ることが出来たら?

現在、畜産には多くの問題が問われています。利益を追求するがゆえに密飼いをし、その不健康な状態のために抗生物質を始め多くの薬剤を投与します。そのため、家畜を通しての耐性菌が人間にも影響を与え問題になっています。世界で製造されている抗生物質は人間よりも家畜に多く使われていると言われています。

また近年、そういった環境下で家畜の伝染病が深刻化しています。

家畜飼料の多くは海外からの輸入であり、コストもかかります。

人々の口に入るべきものが家畜に使われ、更にその家畜を一部の人が食べるという、世界において食糧不足の原因にもなっています。
そういった流れから、未来の肉、「培養肉」という、動物を殺さずして細胞から培養増殖させる食肉製造のテクノロジーも確立してきました。市場に出るのも時間の問題でしょう。(*1)

こういった世界の流れで日本の農家の方々は今後どのようなライフスタイルを選ぶことが出来るのか、その選択肢を見せてくれるのがこの20キロ圏内の生き残った希望の動物たちです。

さらに、管総理が提出されている「再生可能エネルギー促進法案」が通過した場合、それは未来ではなくすぐ目の前のことになるでしょう。(*2)

牧場は太陽光で運営され、糞尿はバイオマスとして電気を作り出し、送電することが出来ます。その過程では良質な堆肥を得ることが出来、他の農家に販売することが可能です。また、牛たちが除草するというメリットもあります。(*3)

そして、そのような幸福な動物たちは、人々に命や食の問題を考えさせてくれる教育大使ともなることでしょう。(*4)

放牧の重要性:

上に記しましたように、運動も出来ない場所に閉じ込めて家畜を飼う場合、多くの薬剤を必要とし、ウイルス、強力な耐性菌をつくるという重大な問題があります。

糞尿を分解する過程においても、そのようなウイルスや耐性菌が除去出来るとは限らず、堆肥への影響も心配です。

放牧であれば、健康で運動する家畜からの排泄物も増えるでしょう。

また免疫力の高い動物は感染の確率も低くなるでしょう。

課題:

放牧している動物たちの排泄物を回収するために、太陽パネルを搭載したリモートコントロール回収機を開発して頂きたいです。

また循環放牧をするために、放射能汚染下に強い草や牛に引き抜かれにくい草などの導入も必要かもしれません。(*5&7)

太陽光電気によるIT機器を駆使し、動物の観察がインターネットなどで出来るようにし、里親制度などのサンクチュアリー運営を充実して頂きたいです。(*6)

以上の「サンクチュアリーと未来のエネルギ−構想」提案が、人間、動物、植物、経済を結び、生き生きとした地域社会になるための公益事業になりますように、実現のほどお願いを申し上げます。

水口政美
Co-founder
あしたへの選択/Choices For Tomorrow (CFT)

<以下の文献/情報を参考にさせて頂きました。>

*1 培養肉 by CFT
http://www.ashitaenosentaku.org/learning.html#baiyoniku

*2 「再生可能エネルギー促進法成立」に強い決意~菅総理大臣
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node%2F1114

*3 岩手県小岩井農場 バイオマスパワーしずくいし/グリーン電力証書/その自然エネルギー源を指名買い
by 空土
http://soratsuchi.com/owada/2009/04/post-2.html

*4 ファーム・サンクチュアリ ジーン・バウアー氏 インタビュー by CFT

*5 糞上移植を利用した寒地型牧草地からシバ草地への省力的な植生変換に関する研究
by 農研機構畜産草地研究所 放牧管理研究チーム 那須塩原市

*6 ファームサンクチュアリー 里親制度
http://www.farmsanctuary.org/get_involved/aafa/

*7 石川県和牛放牧Q&A
http://www.iff.pref.ishikawa.jp/houboku/newpage1.html

* Methane Capture by Element Markets
http://www.elementmarkets.com/methane.html

* Svensk Biogas
http://www.svenskbiogas.se/sb/om/english/

* The Park Spark Project
http://parksparkproject.com/artwork/1687212.html