現代社会においては、どんな商売でも、さまざまなきっかけで激しい(暴力的な)抗議活動の対象になる可能性があると思いますが、何故か、動物や動物製品を扱う事業者だけが特別な法律を作ってもらっているんだよなぁ~?と感じざるを得ないのが、アメリカの不思議な法律、Animal Enterprise Terrorism Act (AETA:動物事業者テロリズム法)です。
まあぶっちゃけ、動物実験関係者を守るために作られた法律だと思いますが、実際にはまったく使われていないし、普通に活動する分にはぜんぜん心配しなくていいんだよなんて話もありました。
で、実際、初めてこの法律を適用しようとしたケースも、「表現の自由」などを理由に、裁判所は棄却としたようです。最初からコケたとNatureの記事にありました。
Animal rights ‘terror’ law challenged
http://www.nature.com/news/2010/100720/full/466424a.htm
あちらではありがちな?、日本の「保守系団体」も真っ青な感じの抗議活動自体は全く支持しませんが、ただ、法律自体の範囲が広く、表現があいまいなために、逆に「表現の自由」にひっかかってしまって使えないというのは、アメリカで違憲の判断が下された「クラッシュビデオ(動物虐待ビデオ)」を規制する法律の件を連想させます。
そちらは結局、新法が先日下院を通過したようですが、こっちの法律も「動物の活動だけ」なんてどう考えてもおかしいよーな気がするから、違憲判断にならないのかなぁ~?と海の向こうから不思議な面持ちで眺めてしまいます。
いろんな分野の抗議活動全てでの話なら、こういう法律の意義もわからなくはないんですけどね~。(でも普通、他の法律で対応できそうな気もするけどっ)
とは言いつつも、結局、平和な活動を地道にやるのが広まる早道なんでしょうけどね。
An act of distinction
http://www.nature.com/nature/journal/v466/n7305/full/466414a.html