滋賀医科大学の動物実験委員会から、今年の1月15日にこんな文書が出されていたようだと教えてもらったのですが・・・。
タイトルと本文部分だけ紹介します。
実験動物の不適切な安楽死の発生について(通知)
動物実験における実験動物の安楽死とその方法は、動物愛護の観点から
極めて重要であり、動物実験に係る講習会及び教育訓練において開腹等に
より心停止を確認することを充分に説明し、各研究者に御理解を得ている
ところですが、昨年1 2 月に不適切な安楽死の事例が発生しました。
当該事例は、ラットを用いた動物実験の終了後、安楽死のため大量の麻
酔を吸入させ、腹腔観察・写真撮影等を行い、数十分経過後に、ポリバケ
ツに廃棄されたものですが、その2 時間程度経過後、腹腔から臓器が出た
状態でポリバケツ内を動き回っていたラットが発見されたものです。

当該事例は心停止の確認が極めて不十分であり、動物愛護、生命倫理及
び動物実験倫理の観点から看過できないものです。
今後、このような事例が発生しないためにも動物実験終了後の実験動物
は、開腹等を施し心停止を必ず目視により確認するよう改めて注意喚起し
ます。
併せて、動物生命科学研究センターホームページ( 法律・基準・指針な
ど)の動物実験の適正な実施に向けたガイドライン( 日本学術会議)、動物
の愛護及び管理に関する法律等を再度御確認願います。
–転載以上–
こ、これは・・・絶句です。
言葉が出てきません・・・。


動物実験委員会の議事録はもっと詳しいです。
公開されているものなので名前を伏せる必要ないかもしれないですが、一応伏せました・・・。
(陪席者は3人いて、実際に実験を実施した人は、●●非常勤講師ではないような気もしたので)

1.実験動物の不適切な安楽死方法への対応について
・経緯報告
●●総務課課長補佐から、資料1に基づき、不適切な安楽死方法により処理
され、動物生命科学研究センター内に設置されたポリバケツに廃棄された実験
動物(ラット)について、経緯報告があった。
・実験責任者からの説明
当該動物実験の責任者である●●非常勤講師から、実験後のラットに係る処
理方法について、実験動物のラットを開腹して心臓停止を確認しなかったが、
実験終了後、ポリバケツにラットを入れるまでに数十分経過しており、ポリバ
ケツへ入れる時点で、ラットは動いておらず、死んでいるものと判断した旨、
説明があった。
以上の説明の後、陪席者が退席し、委員会において審議した結果、次のとおり
決定した。
1)各研究者への注意喚起
今回の事例を動物生命科学研究センターのホームページに公開するととも
に、実験終了後の実験動物は、開腹等により必ず心臓停止を確認することを学
内メールにより周知徹底することとした。
2)動物実験責任者等への処分
動物実験における実験動物の安楽死とその方法は、動物愛護の観点から極め
て重要であり、そのことは動物実験に係る講習会及び教育訓練においても充分
説明し周知しているところである。
今回の実験動物に対する安楽死における心停止の確認は極めて不十分であ
り、生命倫理、動物実験倫理からも見逃すことはできず、過去の処分から鑑み
て、当該動物実験者については一ヶ月間の実験停止、所属長については厳重注
意の処分とすることとした。
3)再発防止策
各委員から次の再発防止案が出され、今後詳細に検討することとなった。
①実験後の動物を入れる袋に実験者の所属、氏名を明記させる。
②教育訓練において、開腹して心停止を目視確認することを改めて周知徹
底する。
③実験計画書に、安楽死の方法を明記させることにより、各研究者に自覚
を促す。
④滋賀医科大学動物実験規程に罰則規定を追加する。