思い出しました。今年もサイエンスアゴラに行ったんでしたっけ。今年は、あまり私の興味をそそるようなコンテンツはなくて、残念なような、めでたいことのような(だって生き物虐待の話題が少ないってことだから?)、フクザツな?気持ちで足を運びました。
ひとつだけ公開討論を聞いたのが、「イノベーションと規制を考える」なんですが・・・。なんか、登壇者も思いっきり偏っていて、会場の参加者も見回してビックリ! ほとんどが高齢の男性ばかりで、若い人や、一般から参加したのだろうという雰囲気の人はほとんどいませんでした。どう考えても関係者の内輪の討論会で、こりゃ場違い☆って感じでした。(っていうか、サイエンスアゴラの中でも浮いてたんじゃないですかねー、さすがにこれは・・・)
しかし。こういうところでの討論が、規制緩和のための議論をしたような実績に使われるのでしょうか? だとしたら、ちょっと薄ら寒いよーな気もしつつ・・・念のためブログに感想を。
とにかく、最後のまとめの発言の中でも「この内容をまとめるのは大変」と言われていた通り、提供されている話題もかなりバラバラで、具体的な話のようでいて、実際にはなんだか抽象的な話で終わってしまったような、深まらない印象の会合でした。
まあ、ようするに「思うがままに研究したいから規制緩和してくれ」という話なわけですが・・・新たに規制を作ってほしいなんて話は議題から外れるのかな?と思ってしまいました。この内容なら、「イノベーションと規制緩和を考える」ってタイトルにすればいいのに(笑)、みたいなね^^;。期待して損した・・ってところでしょうか。
なのに、文科省の役人が「遺伝子組換え反対なんて言ってる人たちはこういうところには来ない」なんて発言までして・・・一体どういう集会なんですか、コレ?と思ってしまいましたよ、正直。まるでここに来て発言することに至上価値があるかのごとくの発言だけど、いろんな意見の人が来るべきだと本当に思ってるんなら、最初から呼べばいいんじゃないでしょうかねー? 
(っていうか、そもそも遺伝子組換え技術に価値を見出していなければ、「イノベーション」っていう言葉から連想しないんじゃないですかねー。だから来ないんじゃないかなんて(笑)。
だいたい、「イノベーション」って言葉、一部では非常に好んで使われているような気がするけれども、一般的にはどうなんでしょう…? 「あーちょっと前になんか流行ったよねー」みたいな印象があって、私はあんまりピンとこないです。)
規制緩和については、(プラスの)情報さえ与えれば、一般の人たちは納得してくれるはずだという意見もあったけど、現実には情報公開なんてまったくされていなくて、本当に知りたい情報にはアクセスできないのが現実だと思います。究極は「企業秘密」の世界ですよね。市民は、研究者に都合のいい情報だけがほしいわけじゃないってことがあまり理解されていないように感じました。
と、一応まとめてみるけど、まあこの集会で一番驚いたのは、規制しなきゃいけない側でもある国の役人が、研究者に向かって、「(要求をかかげて)皆さん、もっと騒いでください」ってけしかけていたことですね。どういうことなんですかねー、これって。文部科学省は、ずいぶん研究者寄りなんだなあ!と(改めて–;)思いました。