傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)

傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)

  • 作者: 夏井睦
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/06/17
  • メディア: 新書

そういえば、ウチって消毒薬ないかも・・・なんて思って手にとってみました。
ウチも、昔はマキロンくらいはあった気がするんですが、「家で処置する程度の傷なんて、消毒してもしなくても同じじゃ~ん?痛いし。気休め(?)ならビワの葉エキスで十分だし?」と思い始めてから、それすら置かなくなってしまったのですが…そんな私でも、この本を読んでビックリ。消毒は、むしろしないほうがいいなんて~(@_@) (あ、でも洗いましょうね、水できちんと)
しかも、ヂや腸の手術について長年不思議に思っていたこと(オホホ)がまさに書かれていて、へぇ~そんなもんかぁ~?と思ってしまいました☆
そういえば、空気に接していないほうが痛くないし痒くないというのは、言われてみればそうかも?? 本当かどうかは、今度何かあったら自分で試してみればよい話ですが、この本を書いた先生がすごいのは、自分であえて皮膚を損傷させてみて、現在治療薬として使われている軟膏類を試してみているところです。うーん、血がにじむ程度の実験みたいだけど、でも動物でやる人よりは、研究魂としては正しいようにやはり思ってしまいます。(それにしても、ネズミは「塗ったら痛くなったよ、もープンプン」とか口で言わないし製薬会社には都合がいいんだろうけど、でも売る前に人間で試しているはずなのに、どうして「傷を深くして潰瘍を作る」薬が売られているの・・・? 不思議・・・)
基礎研究が治療に結びついていないこと、固定観念化した治療の世界を変えるのは至難の業であることなどが書かれていましたが、もうひとつ、間違った仮説にもとづいた無意味な動物実験が今もどこかで行われているのではないかと、余計な心配もしてしまいました。