元厚生次官連続襲撃事件、その後もいろいろと報道されていますね。なんとか殺処分を減らす方向に市民の意識が向くような展開になるといいのですが、やはりなんだか不安を感じます。
環境大臣は、「今回の事件で躊躇することなく、動物愛護管理法の精神にのっとって引き続き執り行いたい」と犬・猫の引き取り業務について述べたそうですし…。(うーん、一瞬「動物愛護の精神」かと思ってびっくりする表現です。昔の「動管法」という略し方は、ある意味、正確だったというわけですね…) 今すぐ止められる業務でないと言わなければならない立場はもちろん理解しますが、環境省はせっかく半減計画なども打ち出し、「できるだけ生存の機会を与えるように努めること」という文書だって自治体に対して出しているのだから、時代は変わったことをもっと宣伝してほしかったです…。
厚生労働省だって、鑑札や注射票をつけていない犬を「抑留しなければならない」と定めているのは狂犬病予防法なんだから、いくら「抑留犬の処分の方法は殺処分に限るものではなく」といったって、抑留のために捕獲しちゃったら自治体はなんらかの方法で「処分」しなければならなくなるわけで、まったくの「筋違い」という論調には正直、賛同しがたいものを感じます…。そりゃ条例でも捕獲できたりするわけだし、処分自体は自治体の業務という切り分けなんでしょうけど、厚生労働省はここまで「殺処分は自治体が勝手にやっていること」的な意識なのか……ということをまざまざと見せ付けられた思いです。2日間の公示っていう短い期間しか設定してないのもこの時代に問題だと思うし。
とはいえ、ワイドショーで被疑者の昔の同僚が、当時の保健所とのいきさつを直接聞いた話をしていたらしく、その内容を聞くとやはり「動管法での引き取り→即日処分」だったのかな、と感じたりもしました。父親が通報して捕獲に来てもらったのではなく。
当時、父親が犬を保健所に連れて行ったので、保健所へ行って犬を返してほしいと言ったら、今はどうたらこうたらでだめだから、「明日おいで」と言われ、そして次の日に行ったら犬はもう殺されていたんだそうです。
(やはり私の実験払い下げ説は苦しいか(^^;?)
おそらく昔はこんな話がしょっちゅうあったんでしょうが、これが本当なら保健所の人はやはり対応を誤ったと思います。「やー、子どもが来たよ、困ったな。適当なことを言って帰しておくか」的な対応ですよね……。保護者と来ないとダメな決まりだったとしたら、はっきりそう言うべきだし、これは騙されたと思っても仕方ないかも。
だから殺人が許されるというわけではもちろんないですが、どれだけクレームをつけても取り返しのつかない事態ですから、彼がほんとうにその後クレーマーとなったのだたとしたら、このときの思いがベースにあるのは本当かも、と感じました。

【12/3訂正】ああっ。やっぱり違った!? 捕獲なら狂犬病予防法で3日目の「処分」ですよねぇ。(電話して保健所に来てもらったというのが当初のお父さんのコメントとしての報道ですが…違ったのでしょうか?)
「『父と一緒に(いなくなった愛犬の)チロを保健所に引き取りにいったら、「処分した」と言われ、大きなショックを受けた』と供述。」(毎日新聞 11/29)
「 両親によると、小泉容疑者が小学生の時に飼っていた犬は、急にいなくなり、保健所などに問い合わせて捕獲されたと分かった。首輪は時々取れていなくなり、その度に深夜でも捜し回るよう、小泉容疑者は母や妹に命じた。犬を可愛がっていたが、本人はその時、家で待っていたという。母親(70)は『毅が子供のころ、犬の毛を紙に包んで持っていたことは覚えているが、死を特別に悲しんだようには見えなかった』と話した。」(毎日新聞 11/29)