『立法の中枢 知られざる官庁 内閣法制局』
著者: 西川 伸一
出版社: 五月書房

ずっと前にオススメされてた本を今頃読みました。はっきりいって、関心がないと最後まで読み通せない本だと思います(^^; でも、関心があると面白いです。日本人なら知っておくべきことがイロイロ書かれています。学校教育って、国のしくみを理解した国民になるための大事なことを何も教えてない気がする今日この頃です。

法律の条文に矛盾がないようにチェックする役所があることくらいは知られているのかもしれないけど、そこの出す見解こそが、実は日本最強不変の「法律」ナノネ?みたいな話、深いところはあまりよく知られていないですよね…?(だからタイトルも「知られざる官庁」なのか、、、そうだよなぁ。)

で、なぜこの動物ブログに書こうかなと思ったかというと、議員立法についても詳しく書かれていて、ちらーっと一瞬、旧・動物の保護及び管理に関する法律が出てきたからなんです。もちろん、動物の運動にも役に立つよーというのもあるんですが。(ほんとに、動物に関係ない事柄はないね。)
「動物保護法は、二00一年に一0四歳で亡くなった加藤シズエ氏が参院議員時代に、八年越しで成立にこぎつけたもの。」

実は、議員立法で成立した法律をその性質によっていくつかに分類する下りでは、「議員の個人的考えに基づく法律」に分類されていて、「えーっ、ちょっとその言い方はヤだな、国民普遍的な問題だもん~」と思ったんだけど、「政府立法になじまない、国民の倫理、道徳、感情に立ち入るものである」という説明は正しいのかな…と思います。

代替法学会のシンポでも「陛下がイギリスに行かれて、日本にこういう法律がないからといって作られた」という、まるで短期間で法律ができたかのように錯覚させる説明があったし(それに、天皇が法律作れるわけじゃありませんから、言葉を補わないと、コレちょっと…(苦笑)みたいな)、一般的にはその昭和天皇の訪欧の返礼としてエリザベス女王が来日するのに合わせて法律が制定されたという話が言われていると思うのですが、実際には、1950年くらいから法案提出はされていたし、非常に長い法制定を求める動きがあったにもかかわらず、なかなか成立してこなかった経緯があると思います。(そして、多くの国民の悲願だった割には、きちんと運用されてこなかった)

やっと成立にいたった当時は、イギリスで、「日本では動物実験で犬の取扱いが非常に虐待的である」ということが話題になっていて(捕鯨も?)、その反日キャンペーン的な状況に対応するために法整備が必要になったはずなんだけど、どうして「動物実験」っていうところが抜けちゃうのか誠に不思議です…。(意図的?)

加藤シズエさんは、日本で初めて女性で国会議員になった人の一人で、バースコントロール(←人間の)の普及で有名な方です。偶然か必然か、ヒトも犬も猫もバースコントロールによって福祉が向上するというところはそういえば共通点ですね…。ちょっと話がそれてきたのでこの辺で。