4日に駒沢公園でやっていた日本獣医師会の「動物感謝デー」のイベント。The World Veterinary Dayのイベントだというのですが、なんだか思いっきり見世物小屋興行をやっていて、「???」でした。いわゆるふれあい動物コーナーでは、何か言いながら通り過ぎる人の半分くらいは「かわいそう」と言っていたように思います。別に獣医師が何か説明するとかではなくて、業者に丸投げだったし……。
そして、個人的に最も衝撃的だったのは、搾乳体験車でした。最初、生きた動物の気配がしなくって、人がたかっているのは牛乳を売っているせいかと思ったら、なんとトラックの上に生きた牛が固定されているではないですか。あんなに大きい動物なのにここまで気配が消えているって……なんだか、動物虐待以外の何者にも見えなかったのですが、世界獣医師連盟のサイトを見ると、The World Veterinary Dayの趣旨には動物福祉も含まれているようです。日本が開催趣旨を取り違えているのでしょうか?
唯一、「お?」と思ったのは、NHK BSのテレビ番組の公開収録で、犬・猫の殺処分の話題も出ていたことです。環境省の動物愛護部会の座長でもある林(良博)先生が、「10年後には犬の殺処分はゼロになるだろう」とハッキリおっしゃっていましたから、おおいに期待したいところです。「(ねこは難しいけど)」というのは言外にあったと思いますが、
環境省の指針の目標「犬猫の殺処分を10年後に半減」の中身は、「犬の殺処分ゼロ、ねこの殺処分減少」という意味なんだな?と思いました。
ですから、くどいようですが、もう動物実験に払い下げられるような犬はいなくなっていくわけです。せっかく払い下げがゼロになったのに、「実験用に欲しい」とか言うのは止めてほしいです。過去に、本来は一般家庭に譲渡することのできた犬が動物実験に回されていたのは、悲劇だという認識を持ってほしいです。
最近は、行政の施設からの一般譲渡に対して関心も高まっていると思うし、行政も以前に比べれば動物愛護に前向きだと感じるけれど、その背景には、動物実験という引取り口がなくなったことの影響が、実はあるのではないかと思います。あまり表立って意識はされていないのかもしれないけど。(愛護団体が、健康ないい犬を、動物実験と取り合っている図をちょっと想像してみれば、払い下げがあったら動物愛護なんて進むわけないのが想像できると思う。)