以前から疑問に思っていましたが、テレビ番組で放映される動物実験のシーンというのは、その番組のために新たに実験されることも多々あるわけです。


たしかこのことは、動物実験に反対する論説を初めて読んだときにも書かれていて、すでに行われた実験を新たにテレビ番組のために繰り返すだけなんて!と、あきらかに「無駄な実験」の例として、非常に怒りを感じたことを覚えています。


でも、番組ねつ造で話題の「あるある」はもっとあくどい事をしていたみたいで……。この記事を見ると、テレビ番組が研究者に新たな実験を依頼することもあるみたいですね。


動物実験に携わる方は、こういった話にそもそも乗るべきではないと強く思いました。


<番組ねつ造>98年放送「レタス快眠」も 実験の教授証言http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/aru_aru/story/28mainichiF0128m114/


同番組の制作担当者から「レタスを食べるとよく眠れるという実験をしてほしい」と依頼され、マウス約20匹を使ってジュース状にしたレタスを一つのグループに与え、もう一方のグループには同量の水を与えて変化を観察した。


 この結果、マウスはほとんど変化が起きず、水を飲ませたマウスとの違いも出なかった。実験に立ち会い、撮影していた番組制作者は「眠りませんでしたね」と帰った。


 それにだいたい、そもそもこんなこと当たり前に思えます。マウスがレタスを食べて即コロンと眠るなんて、マウスを飼っていて経験したことがありません。(私はそりゃそんなにレタスを買う人ではないので偉そうには言えませんが、少なくとも飼育者の間では知られていないと思われ!)


 仮にレタスジュースを飲んで寝たとしても、1日14時間眠る動物、しかもいつもは起きている時間でも好き勝手に寝ることのある動物を、目視で観察して、「あ、寝ました、効果あります!」ってやるつもりだったの?????? これ、最大の謎です。


 番組見てたら、即抗議したのに!!!


 それに、マウスが食べてすぐ寝る食品なんてもしあったら、逆に安全性が疑われちゃうんじゃないでしょうかね? (まあ、死ぬ可能性のあるフグでも食べるのが人間だから、体に悪影響くらいで食べるの止めるとは思えませんが) 


 さらに極めつけを言えば、レタスは人間がすでに食べている食品で、マウスで実験する意味ってまったく感じられないです。番組お得意の「人体実験」でデータをつくってほしかったですね。


 でもきっと、立証が難しいと思ったからマウスで依頼したんでしょうねぇぇぇとも思います。マウスの実験で仮に寝たとしても怪しさ120%だと思うけど。


 ということで、下記の記事は、すばらすぃぃぃぃーーー!と思いました。


行動規範守るべき…「あるある」捏造で学術会議が談話
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070126i216.htm?from=rss 
(2007年1月27日  読売新聞)


学術会議の「科学者の行動規範」は、動物の取り扱いについても言及しています。テレビ番組などで科学実験に携わる人も、それを守るべきだというのは大賛成です。