ドイツの犬はなぜ吠えない?

ドイツの犬はなぜ吠えない?



  • 作者: 福田 直子
  • 出版社: 平凡社


ドイツの犬の飼育や動物愛護について書かれている本のようだったので購入してみたのですが、読み進むと「あれ、この人、動物愛護については詳しくないのかな?」という感じ。少なくとも、使っている言葉を見ると日常活動している人でないのはわかるのですが(例えば「マイクロチップ」という言葉を使わないで説明で終わらせているところとか、「シェルター(動物の家)」といった説明がちょっと変? 「動物の家(シェルター)」ならわかるけど……)、途中で動物愛護団体(実際はアニマルライツ団体のことだけど)の「実態」などといった言葉の使い方をするので、あれ?っと思ったら、なんか全然シンパシーなくて残念です。


それに、なんだか「アニマルライツテロリズム」が、まるでドイツでも盛んみたいな印象を与えていると思います。平凡社の新刊案内の文章も、よく読めばイギリスの話だとわかるところをドイツのことだと勘違いしているのではないかと思います。(本文がちょっとごっちゃごちゃになってるから仕方ないけど)


あくまで動物愛護は取材対象にすぎませんが、ドイツ事情の情報だけ得るにはいい本かもしれません。


ただ、どの程度取材できているのかは、動物への愛情がそれほど感じられないので?疑問です。


ちなみに、この本で紹介されている、てんかん発作予知犬については、下記の記事の日本語訳が最近アップされているのを偶然読みました。


一部のイヌの発作感知能については認められるものの、「場合によってはイヌは心因性非てんかん発作(PNES)には反応するが、てんかん発作には反応しない」と記された論文などがあるようです。(心因性の発作だけがわかるのだったら、ある意味ヒトの心がわかるすばらしい動物と考えるべきでしょうけど、でも心因性のPNESに必要なのは、適切な評価と治療であって、犬ではないとはっきり書かれています)


てんかん患者は自分の発作を確実に予測可能
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY