3月17日に第5回、4月5日に第6回が開かれた、日本学術会議の「科学者の行動規範に関する検討委員会」を傍聴してきました。


日本学術会議というと、偉い先生方が超・難しい話をしているのでは?というイメージですが、あらゆる分野にかかわる話をまとめようとしていることもあるのか、これがなかなか噛み砕いたざっくばらん(というのは失礼か?)な議論がされていて、省庁の審議会等よりなんだかずっと面白いのです。


学術会議では現在、動物実験の機関内規定の手本となるべき指針についても検討中なので、その会合もさぞかし面白い話がされているのだろうなぁ!と思いますが、そちらは非公開。うーん、聞きたい聞きたい……聞かせてくれてもいいじゃないかぁ!と思いますが、きっと非公開だから出てくる本音トークとかもあるんでしょうねぇ……(あー、それを聞きたい(笑))。




……話がそれましたが、こちらの「科学者の行動規範に関する検討委員会」では、いよいよ「科学者の行動規範」の文章が練られて固まってきました。議論のたびに形を大きく変えるのも、審議会なんかで省庁が何か出してきたらほとんどそのまんまになる世界とは違っていて面白いです。


で、その内容なのですが……実はこれがビックリ、研究対象保護の部分には、はっきり動物なども含まれることが記述されそうなのです。


ヘタに浮かれてこんな動物擁護派のブログに書いてツブされたらたまらんわいと思って、第5回の傍聴記を書いたものかどうか悩んでほったらかしにしていたのですが、第6回では委員長が、「これは動物実験委員会から入れてほしいという希望があった」ということをはっきりおっしゃっていましたので、ほっと胸をなでおろしました。「入れておかないといまの社会に対応できない」ともおっしゃっていました♪♪ (ここまで話に出ていて、もし総会&アンケ後に削除されたりしたら、どんな闇の圧力があるのかと疑わせていただきマス……(T_T) ほんとうに実現よろしくおねがいしますm(_ _)m)


ちなみに、動物「など」になっているのは、実験動物だけではなく、生物資源全体の保護の意味もあって「など」になっているのではないかと思います。例示として、「動物も捕りすぎてしまう人がいるので……」という話が出ていたので、植物なんかもそれなら保護対象だな、と思いました。(それにしても誰、動物捕り過ぎてるのは?(T_T))


第6回のそのほかの議論では、コンプライアンス(法令遵守)の項目を別立てで追加する話が出ていました。「ちょっと今すぐ例が浮かばないが……」という発言がチラリとあったのですが、「え、動物実験がらみだといっぱい例がありますよ!?」なんて内心思っていたのでありました(^_^;


(猫を捕獲している業者から購入して「あーこの猫、飼い猫だったんだろうな、首輪のあとがあるし」なんて思いながら実験するのも窃盗罪を許容していると思うし~ サルなら鳥獣保護法違反ってこともあるし~ 遺伝子組換え生物規制法違反ならいろいろ報道されているし~ ゼハゼハ)


ちなみに、科学者憲章の方は、ほぼ新規に作り直すくらいの勢いで1年くらい時間をかけて改定するということでした。とりいそぎ科学者の行動規範のほうを総会にかけ、暫定版ではあるけれども学術会議としての態度表明をしたいということだと思います。


不正に対応するための組織については、実はあまり深い議論はされてこず、どちらかというと学術会議のなかに調査組織を作るのは無理!という雰囲気。一般市民としてはやっぱりアメリカのORIみたいな機関が日本にもあるべきだと思うのでちょっと残念だけど、たしかにどこかが片手間にやるようなことではないかもしれないな……と思いました(大変そう)。できても、機関での不正判定に不服のある人のための対応、ということみたいです。


……と、第6回の話が中心になってしまいましたが、第5回にも面白い話はありました。科学者同士といっても専門外だとやはりよくわからないので、研究費の申請にしても、成功するはずもないような夢物語計画が通ってしまったりすることがあるのだそうです……。それで、やっぱり5年たっても成功しない。本人が大風呂敷だとわかっていて堂々と研究費申請するのも一種不正じゃないか?みたいな話でした。(ほんと、それ税金だぞっ)


私の話は瑣末にこだわっているので、全体は報道をどうぞ♪


科学者は自律的行動を 不正防止で学術会議が規範
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060405-00000201-kyodo-soci(リンク切れ)


<日本学術会議>「科学者の行動規範」原案、検討委で承認
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060405-00000101-mai-soci(リンク切れ)