マーシャ・エンジェル著『ビッグ・ファーマ:製薬会社の真実』
邦訳刊行記念シンポジウム


ポスト・ビッグファーマ時代へ
-危機に瀕する医学研究と製薬ビジネスの将来-
http://scicom.blogtribe.org/entry-3bcabd0a9009f1505686a47078c96eeb.html


主催:篠原出版新社


ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実 面白そうな本!と思いつつまだ読んでいなくて、これを聞きに行ったら読まなくてもわかるかも?という甘い考えでシンポに行ってしまいました(^^ゞ


でも、さすがに今日これ聞いただけでは詳細はわからなかったので、会場でも飛ぶように本が売れていた様子です。


シンポの内容は、前半はとっても面白くて、「医学者:医師はバ*殿であることを前提に医療システムを組む」なんて、ちょっと過激な一文もレジュメに出て来ました(^^ゞ。(伏せ字は「ママ」です)


「医師社会が自律性を持っていたなどということは歴史を見てもなかった」という話も出てきて、あーーー動物実験自主規制論者に聞かせたかった(涙)!と思ってしまいました。


でも、終わりに近づくと、なんだか製薬協がしゃべりすぎているんだよね……。ふと気がつくと、医者はかなりつるし上げられているけれども、製薬企業を誰も悪くは言っていないという展開になっていました。


一体、なぜ!? ビッグ・ファーマがテーマなのに……。(製薬協の人も、そういう批判的展開を予想してたみたいなのに?) 確かに日本にはアメリカと違って薬価の設定があることもあるんだろうけれど、要するに、しゃべったのがしょせん医者、身内をがんがん批判はできても、製薬会社を悪くは言えないんだなーということではないか? と、ふと思ってしまいました。


わかりませんけどねん。
(っていうか、医者すら、批判のもとになるデータも情報も持っていないのかもしれないと思った)


でも福島センセの、「臨床の医者になる人間に、マウスだの何だの、学位を取るための基礎研究なんていちいちさせるな」っていう話、ほんと、「もっとも早く動物実験を減らす方法のひとつ!!」と思ってしまいました。


昔、和田秀樹もテレビで「動物実験の8割は無駄なんだ!」って叫んでたけど、あれもおんなじことだと思います。


それでひとつ驚いたのは、日本では、ちょっとした研究成果が出るとすぐに新聞で「××が治るようになるかもしれない」「○○がわかるかもしれない」といった論調の報道がなされることが非常に多く、必要以上に市民に期待を抱かせていると常日頃から感じていましたが、なんと、そういった報道は、欧米ではほとんどないのだそうです。驚きました。


もちろん、それは特許取得ができなくなってくるから、という現実的な問題が理由だそうですが、こういったことも科学に対する市民の姿勢の差を生んでいるのではないかと感じました。とにかく日本は、マスコミ報道されることが高い評価、エライ先生。ほんとうは時間があったら、ここ30年分くらいのマウスの実験報道で、どれくらい「××かもしれない」が実現したのかをチェックしたいくらいだと思っています。(そんな時間ないけど)


まあ、面白い話は聞けました。


関係ないけど、会場は御茶ノ水駅からちょうど、東京医科歯科大学をはさんで向こう側のホテル。「これ、大学突っ切っていけたら近そう~」と思ったけれど、「Pikaryさんが医科歯科大に不法侵入?」なんて噂がたったらイヤー!なので、ぐるーっと迂回して行きましたヽ(´・`)ノ。(←気にしすぎやがな、そりゃ見舞いにも行けんがな(笑))


No Free Lunch Initiative
http://www.nofreelunch.org/
医者は製薬会社にタダ飯をたかるな、という運動。製薬会社の広告宣伝に添った医療はおこないません、そのために金銭、贈与、接待は一切うけとりません、ということ。おじいさん1人で活動しているらしいのですが、至極正しいことを言っているように思います。


(何千万の年収があっても、やっぱりボールペン1本もらってもうれしいって書いてる本があったよなぁ、そういえば……)