http://www.jnss.org/japanese/invite/society/060106.html
第2回「脳神経科学と倫理」ワークショップ


子どもをめぐる脳科学研究と関連諸領域の対話
-乳幼児の発達研究を通して考える脳神経倫理学-


日時:
2006年1月28日(土) 12:00 開場 12:30~16:30
会場:
虎ノ門パストラル
主催:
独立行政法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター


これに行ってきました。行きそびれた第1回の資料がおいてあったのでもらってきたのですが、前回のほうが動物実験そのものがテーマで、面白そう(&キレそう(笑))だったみたいです。


今回は、子どもを被験者にする際の倫理が主なテーマで、直接は動物実験がテーマではないので、おとなしく聞いていましたが、やっぱり基礎研究者は理解不能(~_~)と思ってしまいました。


動物実験には限界があることもきちんと説明されていましたが、「基礎研究の結果をコホート研究が証明してくれればうれしい」などといった発言があり、サイエンスとしてそれは順序が逆なのでは!?!?と思いました。どう考えても医学に関しては、疫学研究から判明した「事実」を、実験で立証しようという態度の方が正しいと思います。(動物を使う点には異論を持っているものの、)そのほうがまだ「わかる」ところがあります。好き勝手に仮説をたてまくりやり、やりたいことをやりつくしていると、ものごとの順序もわからなくなってくるのかな、と感じました。


あーそれにしても、「研究に協力なんてしちゃったら、人間モルモットにされちゃうよ」という言い方自体が、動物実験があることが前提の表現ですから、危機感としては無関係ではなかったわけで……一言吠えたかったカモ~


実は、「サルからは代諾がとれない」という発言がチラッとだけあったのですが、まさに動物からはインフォームドコンセントがとれないというところ、そして本人に必ず危害が及ぶこと、利益が還元されないところ、などなどが問題点だと感じています。


鳥の歌の獲得についての研究が人間の脳機能にも当てはめられるというような基調講演もあったのですが、鳥は鳥で自然界で生き抜くためにその機能を特化させて進化した可能性もあり、「種差」というものが念頭に置かれない発言はやはり納得が行きませんでした。


そして……結果として、とうてい「一般の人たちとの『対話』」なんてワークショップではなかったというところも残念です。研究関係者同士のなれあい質疑応答に感じました。