あまりじっくりは読めていないのですが、『護るために殺す?』という本に目を通しました。

日本ではトロフィーハンティングはあまりなじみがないし、一般にあまりよいことだと思われていないですが、西洋社会ではすたれていないんですよね。

というより、一時期盛り上がったアニマルライツ的ハンティング批判は、最近、「アフリカの自然をを守るためにスポーツハンティングは必要なんだ!」的な正当化の主張に押され気味。日本でも、人が殺すことで「管理」するのが正義であるという風潮が最近は強まっていると思います。

この本は、アニマルライツ団体などの「手つかずの自然を守れ」的な主張に対して、現地の人々の生活が視野に入っていないという批判的なことも書いてはいるのですが、では、スポーツハンティングはそんなにすばらしいことを現地にもたらしているのか?というところに疑問を呈しています。

西洋人がやってきて楽しみのために狩猟をする。それは確かに現地に雇用やお金は落とすのかもしれないが、現地の狩猟の制度はその構造を支えるために構築されており、白人が狩るための動物を現地の人が狩ったら犯罪者になってしまう。

アフリカが搾取されてきた構造をそのまま残して、本当に「持続可能な狩猟」などと言えるのか。そういう視点で詳細な現地調査の結果をまとめた本です。

アニマルライツ側の狩猟批判についても簡単に歴史がふれられているので、参考になると思い、ご紹介しました。